真田太平記(六)

むろん、信幸とて謀略の効用をわきまえているが、謀略などというものは、生涯に三度か二度・・・・・・いや、煎じつめれば、
(一度のことでよい)
信幸の信念は、このことであった。
謀略に慣れては、かならず謀略に破れる。
見るからに悪人らしい面構えの悪人は、
「真の悪人ではない」
のである。

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